検証日:2019年12月下旬
検証結果:外国人はパスポートを持参する必要あり。チケット窓口は混むので1時間前までには駅に到着しておいたほうが良い。日本の新幹線に比べると運賃は安い。
高速鉄道(高铁)は中国版新幹線であり、中国の主要都市を結んでいる。今回は、広州(广州、グァンジョウ、Guangzhou)から深圳(シンセン、Shenzhen)までを高铁で移動してみた。
高铁の乗り方の流れは以下であった。
「2.出発駅の構内に入場する」と「3.予約した列車のチケットを受け取る」は、駅によっては順序が逆になる。
1.列車を予約する
日本の新幹線と同様に、同じ方角・同じ座席クラスであればどの列車に乗っても良いということではなく購入したチケットの列車にしか乗れない。予約をせずに駅のチケット売り場で直接購入することもできるが、そのときに乗りたい列車に空席があるとは限らない。良いときは1時間後の列車に空席があったりもするが、最悪な場合、その日の列車はすべて満席ということもある。従って、予約することをお勧めする。
列車にもよるが、2等車、1等車、ビジネスクラスがあり、2等車には立ったまま乗車するチケットもある。
予約方法として、今回筆者は以下の2通りを試した。
以下でそれぞれでの予約手順を解説していくが、画像内の日付が検証日と合っていないのは、画像は後日撮ったものであるためである。
Trip.comで予約
Trip.comはスマホアプリもあるのでインストールしておくと良い。購入は手数料が20元プラスされる(日本円だと300円ちょっと)。このアプリは日本語表示に対応している。
手順を解説すると、まず、アプリのトップ画面から”列車”をタップし、
国、乗車する都市、降車する都市、乗車する日付を選択し、 “高速鉄道のみ”にチェックを入れ、”検索”をタップする。
検索結果が出てくるので、希望する時間帯の列車の行をタップする。駅には○○北とか○○南とかあるので、どの駅で乗って、どの駅で降りるのが都合が良いかを百度地図などで調べておくと良い。また、列車によって所要時間が違うので、ここも見落とさないようにしたいところである。
乗りたい座席クラスの”予約”をタップする。満席の場合はグレーになっている。各座席クラスの解説は後述する。
“乗客の追加/編集”で乗客の情報を入れる。既に入っている場合は不要。連絡先として、名前、電話番号、電子メールアドレスを入れ、座席指定を行う。座席指定は希望の位置づけであり、混んでいると、希望通りにならないことがよくある。
その後、”予約”をタップする。
この段階でも再度、空席状況の確認が行われる模様。列車を選ぶ段階で残り1、2席の状態だと、この段階では(タッチの差で?)満席になってしまい予約ができなかったことがあった。
無事に予約ができると、支払い画面に遷移する。カウントダウンが始まり、30分以内に支払いをしないと予約は自動キャンセルされる。
支払い方法は、クレジットカード、Alipay(支付宝)、WeChat Pay(微信支付)から選べる。クレジットカードは日本で発行されたVISAでも支払いができた。
今回の例だと、40分弱の乗車時間で94.5元(日本円で1500円程度)なので、日本の新幹線と比較したら安い。
その後、Trip.comから登録したメールアドレス宛に乗車券引換情報として、 最初がEから始まり後ろに数字が記載されたメールが送られてくる。これは、紙のチケットを受け取るときに必要になる情報である。
Alipay(支付宝)で予約
Alipay(支付宝)やWeChat(微信)からも予約できる。今回筆者が試したAlipayでの手順は、まず、トップ画面の”Air & Rail”をタップする(英語表示で解説)。
飛行機・鉄道のミニプログラム画面になるので、”火车票”をタップする。 火车とは列車のことであり、票がチケットのことである。ちなみに、汽车は車のことである。
乗車する都市、降車する都市、乗車する日付を選択し、”只看高铁动车”にチェックを入れ(高铁のみを検索する)、”搜索火车票”をタップする。
この後の手順はTrip.comと大体同じなのだが、”出行保障”という事故のときなどのための保険料を数元から数十元付けることになる。
【2023年11月9日追記】2023年11月時点で、中国铁路12306の実名登録(实名登记)をしないとネットからでは予約を完結できないようである。登録作業自体はAlipayから飛んだミニプログラムで出来るが審査に時間が掛かるようである。実名登録をしていない場合は直接チケット売り場でチケットを購入することになる。
座席クラス
ビジネスクラスは航空機のビジネスクラスのようなシートである。座席はフルフラットに近いところまで倒れ、座席間隔は非常に広い。2等車は日本の新幹線の普通席、1等車は日本の新幹線のグリーン車ぐらいの座席スペースである。車内販売で飲食物が販売されている。1等車、ビジネスクラスの場合、路線によってはペットボトルの水、茶菓が出る。電源は、ビジネスクラスにはあるが、1・2等車両にはない場合もある。
筆者の感想としては、2等車でも2時間程度の乗車時間であれば十分であるが、1等車のほうが少し座席の横幅が広く、静かで客層も上品、ビジネスクラスはゆったり過ごしたい場合、といったところであろうか。値段は、1等車は2等車の1.5~2倍程度、ビジネスクラスは2等車の2~3倍程度(比率は路線に依存する)。
2.出発駅の構内に入場する
地下鉄やバス、タクシーなどで乗る列車の出発駅へ行く。
チケット売り場が保安検査場の外にある場合は、チケットを受け取ってから入場することになる(紙のチケットが必要な場合)。このときは、本記事の「3.予約した列車のチケットを受け取る」が手順としては先になる。
駅構内への入場は、身分証のチェックを受け、その後に保安検査を通過することである。中国籍の人は身分証カードを機械にかざせばよいが、外国人の場合はパスポートを係員に渡して確認してもらう。なので、パスポートを持参する必要がある。また、チケット売り場が保安検査場の外にある駅では、このときチケット(既に持っているはず)も渡す。
無事、チェックが終わったら、パスポート(と事前に持っている場合はチケット)が返却され、続いて、保安検査となる。大抵、身分証のチェックのすぐ次に待ち構えているので、そのままの流れで受ける。保安検査は地下鉄以上、航空機未満の厳しさといったところである。(画像は無し)
この身分証チェックと保安検査はそれほど混まない。合わせて、せいぜい10分程度であろうか。
保安検査が済んだら、チケット売り場へ向かう(既に紙のチケットを持っている場合、eチケットのみで乗車する場合を除く)。
3.予約した列車のチケットを受け取る
チケット売り場(售票处)に着いたら、列に並ぶ。Trip.comから届いたメールによると、乗車するだけなら紙のチケットを受け取る必要はないようだが、筆者は念のため、受け取ることにした。
〇〇様
ご予約された乗車券はeチケットです。紙の乗車券に引き換える必要はありません。ご乗車の際には、ご予約する際に入力した身分証明書をご提示の上、ご入場ください。精算用に紙の乗車券が必要な場合、乗車日から30日以内(乗車日も含む)に、ご予約時に入力した身分証明書およびEから始まる乗車券引き換え番号をお持ちの上、駅の窓口にてお引き換えください。
出典:Trip.com
というのも、以前は、紙のチケットを搭乗口の改札機に入れて入退場していたからである。
上の画像の通り、大抵、混んでいる。いくつか列ができあがっているが、予約したチケットを受け取るための窓口は”售票窗”や”售票”、”取票”と表示されているところである。“改签”(=チケットの変更)、”退票”(=払い戻し)に並んでしまうと、自分の順番が来ても並びなおしになるので、注意が必要。
自動券売機が設置されているが、中国の身分証カードがない人は利用できないので外国人は列に並ぶしかない。
予約なしでチケットを購入する場合も、”售票窗”や”售票”と表示された窓口である。支払いはAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)の他にVISA(クレジットカード)、現金も対応している。
待ち時間の目安だが、列の長さが10メートルぐらいだったら、自分の番になるまで20~30分程度掛かる。自分の番が来たら、Eから始まる乗車券引換番号を示すもの(その番号を表示した状態のスマホでOK)とパスポートをガラスの下側の空いているところから係員に渡す。渡す際は何も言わなくてよい。また、窓口の係員は英語が話せる場合が多い。スマホを渡したくない場合は、パスポートだけ渡してスマホは窓口のガラス越しに乗車券引換番号を見せても良い。特に問題なければ、1分程度でチケットを発行してくれる。
チケット(とパスポートなど)を受け取ったら、搭乗口番号、列車番号、車両番号・座席番号を確認しておこう。上の画像だと、搭乗口A11、G6160番の列車、二等席02番車両03A番座席、である。
このあと、搭乗口へ向かえば良いが、保安検査通過以降のエリアには飲食店がいくつかあったりするので、時間がある場合は食事も取れる。マクドナルド(麦当劳)とケンタッキー(肯德基)がよくある。
4.搭乗口の改札を通る
列車の出発予定時刻の10分程度前から搭乗が開始される。それまでにはトイレや飲み物などの買い物を済ませ、搭乗口前で待機しておこう。
逆算すると、列車出発時刻の1時間前までには、出発駅についていた方が良い。
搭乗口番号、列車番号、車両番号を確かめる。
上の画像の例だと、01-08番車両がこの搭乗口ということである。逆サイドにも搭乗口があったりすると、別の車両番号の搭乗口になっており、ホームに降りたときに移動が面倒である。
改札機があるのでパスポートの写真のページを入れて読み取らせる(上の画像の赤枠部分に写真のページを入れる)。問題なければ、ゲートが開くので前へ進む。以前は、紙のチケットを差し込んでいたが、検証日時点では変わったようである。
大抵、エスカレーターか階段で降りるかたちでホームへたどり着く。
遅刻して搭乗口通過が間に合わなかったときは、チケット売り場へ戻って”改签”の窓口で次の空いている列車に予約変更してもらうことができる。変更手数料は発生しないが、差額がある場合(同じ座席クラスでも列車ごとに値段が違う)はその場で支払う必要がある。
5.列車に乗り込む
列車が到着したらすぐに自分が乗る車両を探そう(ホームに着いた時点で列車が既に停車しているケースのほうが多いかも)。列車が長いので、誤って自分が乗る車両がある反対側の端のほうで待っていたときは結構な距離を歩くことになるためである。座席クラス、車両番号は車両に表示がある。
扉が開いたら乗り込む。
座席上に手荷物の棚があるので、そこに荷物を置くことができる。32リットル程度のスーツケースであれば、そこに置ける。
車内にはトイレ、給水機がある。また、無料Wi-Fi(高铁WiFi)も提供されている。
6.列車を降り、退場の改札を通る
停車する数分前にアナウンスがあったりするが、中国語で何を言っているか分からない場合もあるので、百度地図で現在走行中の位置を把握しておくと良い。
扉が開いたら列車から降りて出口へ向かう。
改札を出るときも入った時と同じようにパスポートを読み取らせる。
これで終わりである。確かに、紙のチケットの出る幕はなかった。座席番号などもアプリで確認はできる。
日帰り旅行などの場合において帰りの列車は滞在中の状況で決めたいときは、帰る数時間ぐらい前から列車の予約状況をチェックしておいた方が良い。最悪、全列車が満席となり、その日のうちに帰れなくなってしまうためである。