検証日:2019年12月下旬
検証結果:QR決済による乗車ができる。運賃は日本に比べれば安いが中国の他の都市と比べたら少し高い。駅によっては顔認証が導入されているが外国人は利用できない。駅構内や車内はきれい。かなり混むときがある。
今回は、広州(广州、グァンジョウ、Guangzhou)、仏山(佛山、フォーシャン、Foshan)の地下鉄に乗ってみた。
この二つの都市は隣接しており、地下鉄としては広州地下鉄(广州地铁)にて運営されている。広州白雲国際空港(广州白云国际机场)から直結で乗車できる(最寄り駅は机场南)ので滞在先ホテルまでの足としても利用できる。
路線図に関しては後述する公式アプリで確認できるが、目的地までの経路は百度地図で検索できるのでそれも併せて利用するのが良い。
自動券売機で乗車券を購入しての乗車も無論できるが、今回筆者は3つの支払い方法での乗車を試してみた。
以降、筆者の体験を交えて解説する。
Alipay(支付宝)
“广州地铁乘车码”をAlipayの公共交通機関として追加してみることにしたが、結論を先に言うと、追加できなかった。追加の手順は以前の記事と同じである。
“广州地铁乘车码”を選択すると、登録画面に遷移する。
同意にチェックを入れ、”立即领卡”をタップする。
“身份证”欄にパスポート番号を入力して”同意并领卡”をクリックすると、
“请正确填写身份证信息”と表示され(意味は、正しい身分証番号を入力してください)、認証できない。中国の身分証番号でないと受け付けられないケースである。これは中国の地下鉄、バスなどの公共交通機関、観光地でのチケットの取得ではよくあることである。 中国籍以外の人がAlipayで广州地铁乘车码は登録できず。
WeChat(微信)
WeChatではセットアップできた。方法は以前の記事の手順において、”广州市”の”广州地铁乘车码”に置き換えてもらえればよい(下の画像は既にセットアップ済みの状態で表示させたものである)。
地下鉄公式アプリ(广州地铁APP)
地下鉄構内にこのようにQRコードが貼り出されている場合がある。前出の写真では自動券売機の上にQRコードが貼り出されている。
このQRコードをAlipayかWeChatのスキャン機能で読み取れば、アプリのインストール画面に遷移するので、それに従ってインストールし、セットアップする。公式アプリを利用した支払いはAlipayかWeChat Payとなるので、これらが使用できることが前提となる。
アプリのトップ画面の”扫码进出站”をタップすると、QRコードが表示される。
画像の灰色の部分は、実際にはQRコードが表示されている。
このアプリを利用すると、いつ、何駅から乗車し、何駅で降車し、いくらだったかという記録を見ることができる。
乗り方・地下鉄の様子・運賃
乗り方は他の中国の都市の地下鉄と大体同じである。
入場時は、QR決済で乗車する場合は改札機のCCD部分にQRコードをかざす。自動券売機で購入した乗車券の場合はタッチエリアが示されているのでそこにタッチする。
UnionPayのマークがあるので、UnionPayにも対応しているのであろうか。これは未検証である。また、入場時にこのような改札機がある駅もあった。
顔認証である。顔認証を利用するには事前に登録が必要であり、筆者は未登録だったので”Unregistered face, please use ticket card”と表示された。また、中国籍の人でないと登録できないようである。
駅構内はいたってきれいである。何分後に次の電車が来るかの表示もあった。
車内の様子はこれ。車内もきれいである。
降りるときの改札機も入場時と似たようなものであるが、一部、このような改札機もあった。
両側に支払い機能を持ち、さらに斜めになっているのである。斜めになっているのは子供のような背の低い人間がタッチする場所を認識できるようにするためであろうか。左側にもあるのは腕時計での支払いを考慮したものか??
運賃は、前出の公式アプリの画像で5元や7元や10元が並んでいる。運賃は当然、距離に依存するものだが、筆者の感覚だと他の中国の都市と比べると1.5~2倍程度の額である。ただし、それでも日本円にすると数十円から百数十円なので、安い。例えば、千灯湖から机场南は2時間程度の乗車距離だが、それで10元(日本円だと160円程度)だからである。
ちなみにラッシュアワーだと結構混むようである。