シンガポールの電車(MRT/LRT)の乗り方

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今回はシンガポールの電車(MRT/LRT)の乗り方を解説する記事である。前提としては短期旅行者である(長期滞在のビザがある人だと運賃の支払い方法が若干増えるため)。

路線図

路線図は以下からPDFファイルでダウンロードできる。

> LTA発行のSystem Maps
https://www.lta.gov.sg/content/ltagov/en/getting_around/public_transport/rail_network.html

乗車の流れ

シンガポールの電車に乗る手順としては、以下のように日本と同じである。

  1. 運賃支払い媒体の用意
  2. 改札機に運賃支払い媒体をタッチ(入場)
  3. 電車に乗り込む
  4. 目的の駅で電車を降りる
  5. 改札機に運賃支払い媒体をタッチ(退場)
改札機。運賃支払い媒体は赤丸部分にタッチする。

以下で、運賃の支払い媒体としてどのようなものがあるのか、対応しているのかを具体的に説明しよう。

運賃支払い方法

運賃支払い媒体としては多くのものが提供されている。

自動券売機でチケット購入による乗車

これが一番原始的で以前からある方法である。日本の電車の乗車券と異なるのは、チケット媒体(薄っぺらいカード)は1乗車で使い切りというわけではなく、6回まで繰り返し使えるということである。そのメリットとしてはチケット媒体の発券料分、安くなるということである。自動券売機に行く必要があることと、列で並んでいることがよくあるので、他の支払い媒体と比べると時間のロスになるというデメリットもある。

念のため、乗車の流れを説明すると以下になる。

  1. 自動券売機でチケットを購入
  2. 改札機にチケットをタッチ(入場)
  3. 電車に乗り込む
  4. 目的の駅で電車を降りる
  5. 改札機にチケットをタッチ(退場)

1日乗車券購入による乗車

シンガポール・ツーリスト・パス(Singapore Tourist Pass)である。電車(MRT/LRT)とバス(BRT)が乗り放題となり、

1日券:20 SGD
2日券:26 SGD
3日券:30 SGD

である。ただし、上記の内の10SGDはデポジットであり、カードを返却すれば戻ってくる。

駅のチケットオフィスで売られている。”Ticket Office”であり、改札機横にある”Passenger Service”ではない。日本のJRでいうところのみどりの窓口と改札窓口の違いであろうか。頻繁に電車、バスに乗ることが見込まれる場合はこれを買った方が得だが、チケットオフィスは営業時間が限られているので、滞在中で初めて電車に乗るときにうまく営業時間と合っているのが良い。返却してデポジットを受け取るのもチケットオフィスであるが、チャンギ空港に電車で着いたときにはもうチケットオフィスが閉まっていたということにならないように注意が必要である。

使い方は乗車券(カード)を改札機にタッチして入退場する。

EZ-Linkカードによる乗車

EZ-Linkカード

EZ-Linkは日本のSUICAのような存在である。駅のチケットオフィスの他、コンビニ等でもEZ-Linkカードを購入することができる。このカードを改札機にタッチして入退場すれば良い。反応速度としては、筆者の体感だが、SUICAよりは遅く、タッチしてから改札機から音が鳴るまで一呼吸ある(以降で説明する支払い媒体すべて同じ)。NFCリーダーアプリで調べたところ、通信規格はNFC Type-Bのようである。

チャージは駅の自動券売機、チケットオフィス、セブンイレブンでできる。カードには有効期限があり、それを過ぎると使用できなくなるが、新しいカードを購入して古いカードの残高を新しいカードへ移行することができる。これは駅のチケットオフィスでやってくれる。筆者はコロナで2年以上シンガポールに行っていなかった間に持っていたEZ-Linkカードの有効期限が切れてしまい、まだ残高があったので、新しいカードを用意してそちらに移してもらった。

プリペイドSIMカードとセットとなって販売されているケースもある。SIMを外した側がEZ-Linkカードになっている。

SingTelのプリペイドSIMにEZ-Linkカードが付いたパッケージ

EZ-LinkカードはEZ-Linkアプリを使うことでカードの有効期限、チャージ残高、利用履歴を確認することができる。アプリからチャージするにはシンガポールで発行されたクレジットカード/デビットカードか、シンガポールの銀行口座が必要である。

出典:EZ-Link Pte Ltd

シンガポールに来たならば、EZ-Linkカードか次に紹介するNETS FlashPayカードのどちらかは買っておいてもよいだろう。

以前はSIMカード自体にEZ-Linkが埋め込まれ、スマホのタッチで乗車できるEZ-Link NFCというものもあったが、既に提供されていないようである。

EZ-Link App

Google Play で手に入れよう Download on the App Store

NETS FlashPayカードによる乗車

NETS FlashPayカード
NETS FlashPayカード

NETS FlashPayも日本のSUICAのような存在であり、電車以外での支払いにも使える。スマホアプリNETS Appを使えば、スマホからクレジットカードを使ってチャージすることもできる。日本で発行されたクレジットカードで出来る。

出典:Network for Electronic Transfers (SG) Pte Ltd.

NETS App

Google Play で手に入れよう Download on the App Store

Apple Payによる乗車

AppleWatchでのWalletアプリでVISAカードを選択したところ

Apple Payでクレジットカード払いとして乗ることが出来る。媒体はiPhoneでもApple Watchでも良い。支払いに使用できるカードはVISAかMastercardのどちらかであるが、コンタクトレス非対応のカードでも大丈夫なようだ。筆者はANA VISA SUICAカード(コンタクトレス非対応)をApple Payに登録して支払うことができた。日本で発行されたクレジットカードを使用できる。

手数料が掛かる(以降で説明するクレジットカード払いすべて)。1乗車ごとではなくいくつかの乗車のまとまりごとに0.60SGD(本記事投稿日時点でのレートだと日本円で60円弱)が発生するようだ。

エクスプレスカードには対応していない。iPhoneにしろApple Watchにしろ、必ず支払いたいカードが画面に表示された状態にしてから改札機にタッチする必要がある。

Apple Payが使える交通機関
> https://support.apple.com/ja-jp/HT207958

Google Payによる乗車

Google Payで支払いカードを表示したところ

Google Payでクレジットカード払いとして乗ることが出来る。支払いに使用できるカードはVISAかMastercardのどちらかであるが、コンタクトレス非対応のカードでも大丈夫なようだ。筆者はANA VISA SUICAカード(コンタクトレス非対応)をGoogle Payに登録して支払うことができた。

手数料が掛かるのはApple Payと同様にクレジットカード払い全般で同じである。

Google Payアプリを開かなければ、デフォルトに設定している非接触支払いカードで支払われる。シンガポールのMRTに限った話ではないが、Google Payの場合はApple Payとは違い、アプリを開かなくても支払い処理ができる分、ステップは1つ少ない。

コンタクトレス対応クレジットカードによる乗車

コンタクトレス対応の楽天カード

コンタクトレス対応のVISAかMastercardであれば、カードを改札機にタッチするだけで良い。自動券売機には行かず、有人のチケットカウンターにも行かず、改札機に直行してクレジットカードを取り出して改札機にタッチするだけだ。日本で発行されたクレジットカードで問題ない。筆者は楽天カードで試してみたが、問題なく改札機を通過できた。

手数料が掛かるのはApple Payと同様にクレジットカード払い全般で同じである。

au PAYプリペイドカードでも乗れる

au PAYプリペイドカードをApple Payに入れたところ

au PAYプリペイドカード本体はコンタクトレスに非対応であるが、前述の通り、カード本体はコンタクトレス非対応でもApple PayやGoogle Payに対応していればそれらを通してコンタクトレス決済で乗車することができる。au PAYプリペイドカードはMastercardの加盟店であれば支払いすることができ、Apple Payにも対応しているので(Google Payには非対応)、Apple Payにau PAYプリペイドカードを登録することで、MRTに乗車することができる。運賃はau PAYの残高から差し引かれるが、au PAYの履歴から確認できるようになるには10日程度かかるようである。

au PAYアプリから確認した取引履歴(6月6日が利用日になっているが実際の利用日は5月下旬である)

入退場でApple Watch/iPhone/Google Payの混在の支払いはできるか?

Apple Watchで入場してiPhoneで退場する、Google Payで入場してApple Payで退場するといったことはできるのか ー

結論は、退場時に改札機でエラーになったりはせずに退場はできるが、運賃が多く徴収される。

出典:Land Transport Authority
LTAのホームページにて注意喚起されている

筆者が実際に試したところ、別の媒体で退場したことでその媒体での入場が確認できず、またいつまで経っても入場した媒体での退場が認識されず、それぞれ運賃としては2.20SGDが徴収されるようである(合計4.40SGD)。つまり、異なる媒体での入退場は少なくとも金銭的に損になるということだ。

以下のスマホのキャプチャは、後述するTL SimplyGoアプリから使用したカードに対する乗車履歴を確認したところである。午後7時47分にClarke Quay駅から乗り、午後7時57分にHarbourFront CCL駅で降りたが、Clarke Quay駅の入場に対する退場が[Missing exit]になっており(時刻は午前12時)、HarbourFront CCL駅退場に対する入場が[Missing entry]になっている(時刻は午前12時)。

出典:Transit Link Pte Ltd
入退場時がそれぞれ認識できていないようだ

その他の何とかペイ

Samsung Pay、Fitbit Pay、Garmin Pay、GrabPay(GrabPayカードを使う)にも対応しているようであるが、筆者は利用したことがない。

Mobile payment – Apple Pay, Google Pay, Samsung Pay, Fitbit Pay, Garmin Pay, Grab Pay, Singtel Dash
Alternatively, you may also use your mobile device (such as mobile phones and smartwatch) for fare payment, if your device has a mobile wallet such as ApplePay. 

引用元:LTAホームページ
https://www.lta.gov.sg/content/ltagov/en/getting_around/public_transport/plan_your_journey.html#paying_for_your_ride

QRコード決済には非対応

前述の改札機の写真を見ていただくとQRコードを読み取るようなカメラは無いことから分かる通り、QRコードによる決済には対応していない。

TL SimplyGoアプリ

クレジットカード払い(Google PayやApple Payも含む)では改札機を退場する際に、掛かった運賃が表示されない(EZ-linkやNETS FlashPayでは表示される)。しかし、TL SimplyGoアプリを使うことで、

  • 入場した駅とその日時
  • 退場した駅とその日時
  • 掛かった運賃

が分かるようにされている。これがカードごとに分かる。さらに前述の支払い媒体はバスでも利用できるのだが、バスに対しても乗車したバス停、降車したバス停、運賃が分かる。クレジットカードだけでなくEZ-linkカードやNETS FlashPayカードに対しても分かるようになる。そのためにはアカウントを作成し、アカウントにカードを登録する。アカウント作成は必須ではなく、また、カードの登録も必須ではない。TL SimplyGoアプリのインストールも必須ではない。利用履歴が不要な人には不要だろう。

TransitLink SimplyGo

Google Play で手に入れよう Download on the App Store

Sentosa Expressでは注意が必要

Sentosa ExpressのVivo City駅 – 2022年5月下旬の様子

Vivo City駅からセントーサ島へ渡るSentosa Expressは対応している支払い媒体が異なり、EZ-linkカードかNETSカード(NETS FlashPayカードを含む)か、有人チケットカウンターでチケットを購入するかになる。

運賃は日本に比べると少し安い

料金は以下で計算できる。本記事投稿日時点での為替を考慮すると、日本の6~7割程度の額といったところか。

> LTA | Fare Calculator
https://www.lta.gov.sg/content/ltagov/en/map/fare-calculator.html

Googleマップの経路検索に出てくる

Googleマップでシンガポールの目的地の経路検索をすると、電車、バスともに経路として出てくるので、Googleマップはちゃんと機能する。

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旅好きが旅にまつわるデジタルライフをゆるめにお届けする場所です。執筆者はひと月に最低1度は海外に出掛け、現地の路地裏をウロチョロしています。

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