日本人がシンガポールの自動化ゲートを申請してみた

投稿日:2022年11月1日
更新日:

Woodlands Checkpoint
Woodlands Checkpointの外観(奥の灰色の建物)

外国に入国する際にイミグレーションに自動化ゲートが設けられているのを見たことがある方は多いと思う。それらを見て、使えるのはその国の永住者だけというイメージを持たれることであろうが、短期滞在者でも自動化ゲートを利用できる国がある。それがシンガポールである。

今回は、シンガポール入国時に自動化ゲートを利用するための申請をした筆者の体験を記事にしたものである。

シンガポールの自動化ゲート申請の概要

2022年10月時点でチャンギ空港からシンガポールを出国する際は自動化ゲートを利用することになる。これには何も申請はいらない。逆にシンガポールに入国する際にも自動化ゲートがあるが、入国時に自動化ゲートを利用するにはFrequent Traveller Programmeに事前に申請する必要がある。

Frequent Traveller Programme(FTP)は、日本人であれば、条件があるものの、観光旅行で入国した短期滞在者であっても申請することができる。

後述するが、申請はシンガポールに入国しないとできないので、初めてのシンガポール旅行で自動化ゲートを利用して入国することはできない。

【2023年6月5日追記】2023年4月25日にシンガポールICAが日本を含む51ヶ国のパスポート保有者は事前登録なしで自動化ゲートで入国できるようになったと発表した。つまり、これらの国のパスポート保有者は本記事で紹介するFrequent Traveller Programmeを申請していなくても自動化ゲートでシンガポールに入国できるようになったのである。

Frequent Traveller Programme 公式ホームページ

公式ホームページ
> https://www.ica.gov.sg/enter-depart/for-visitors/FTP

申請条件

日本人の場合、以下の条件すべてを満たしている必要がある。

  • パスポートの有効期間が6ヶ月以上あること
  • 過去24ヶ月で2回以上、シンガポールに入国していること(ABTC所有者はこの条件は不要)
  • 6歳以上であること

シンガポール入国管理局(ICA)に確認したところ、過去24ヶ月での2回のシンガポール入国時のパスポートは跨っても良いとのことである。つまり、パスポートの更新で1回目入国時と2回目入国時のパスポートが違っていても良い。

申請料

無料である。

申請場所・受付時間

シンガポール入国管理局(ICA)に確認したところ、2022年10月時点では申請はWoodlands Checkpoint(ウッドランズの国境検問所)のみで受け付けているとのことであった。

Woodlands Checkpoint
Departure Bus Hall, Level 5
Operating hours are 9.00 am to 5.00 pm on Mondays to Fridays, and 9.00 am to 1.00 pm on Saturdays. Closed on Sundays and public holidays.

引用元:ICAホームページ

有効期間

有効期間は5年間である。ただし、パスポートの有効期限が先に来る場合はそこまでの期間である。

Woodlands Checkpointでの申請体験

館内は撮影禁止であるため、写真はない。

公共交通機関で行くには、まず「Woodlands Train Checkpoint」を目指す。最終的な目的地であるWoodlands Checkpointへは歩いて向かう。

最寄り駅はMarsiling駅だが歩くとかなり距離があるので、バスの乗車も必須だろう。経路についてはGoogleマップで出るのでそれを利用すると良い。シンガポールの電車、バスの乗り方は以下の記事を参照されたい。

無事、Woodlands Train Checkpointに着いたら、そこからはWoodlands Checkpointへの行き方は案内が随所に貼り出されているので、それに従って、建物内を歩いていけばよい。

バス出発階(5階)に着くと、左側に警備の窓口があるが、その近くに扉があり、その扉を開けると手続きを行う部屋がある。整理券発券機があるので、整理券を取って待つ。筆者が入室したときには、他の人は誰もいなかった。

自分の番号が呼ばれたらカウンターの席に座り、手続きを行う。筆者の場合は、事前にダウンロードして印刷した記入済みの申請書とパスポートをまず係員に渡した。申請用紙は公式ホームページで公開されている。

申請用紙
> https://www.ica.gov.sg/docs/default-source/ica/forms/application-form-for-frequent-traveller-programme.pdf

その後、係員から「このパスポートで申請するのは初めてか?」「申請の目的は?」「ABTC所有者か?」など、いくつか質問を受けた。そして、問題発生。パスポートをチェックしたであろう後に、2回の入国は一つのパスポートでなければならない言われたのである。申請時点で筆者は直近の入国とその一つ前の入国でパスポートの更新を挟んでいたため、2回の入国でパスポートが異なっていた。筆者は事前にパスポートは跨っても申請できることをICAに確認していたので、そのことを伝え、ルールをチェックしてほしいと要求した。こういうこともあろうかと、古いパスポートも持参していたので、それも渡した。その後、係員が古いパスポートでの入国記録を確認したのかは不明であるが、古いパスポートを見ながらPCで何かを確認していたようなので、直近2回の入国時に使用したパスポートが跨る方は古いパスポートも持って行った方が良いようだ(ICAに確認したときはMUSTではなくWantと言われていたが念のため持参していた)。

パスポートの件は係員が納得したようで、その後、顔の写真撮影と親指の指紋の採取を行い、パスポートにFTPのスタンプが押され、終了した。所要時間としては10分程度であった。

退出は、シンガポール側に行くのか、マレーシア側に行くのかで館内のルートが異なることと、警備員に手動で扉を開けてもらうことになるので、係員に途中まで付き添われる。

singapore Frequent Traveller
押されたFTPのスタンプ

実際に入国してみた【2023年6月5日追記】

Frequent Traveller Programmeでシンガポールに入国するには、イミグレーションで、”Singapore Citizens, Permanent Residents, Long-Term Pass Holders”といった案内が出ている自動化ゲートを使用する。この自動化ゲートで、パスポートの読み込み、顔の読み込みを行えば通過できる。実際、筆者も無事通過できた。このレーンはいつも空いているのですぐに入国できる。

申請不要の自動化ゲートが始まった【2023年6月5日追記】

ここまでは、事前申請が必要な自動化ゲートによるシンガポールへの入国方法の内容であったが、この申請をしなくても特定の国のパスポートを保有していれば、自動化ゲートで入国できるようになった。

2023年4月25日にシンガポールICAが51ヶ国のパスポート保有者は事前登録なしで自動化ゲートで入国できるようになったと発表した。この51ヶ国には日本が含まれる。初めてのシンガポール入国でも対象である。

More Foreign Visitors Able to Clear Immigration Through Automated Lanes

            Under the Immigration & Checkpoints Authority (ICA)’s Automated Clearance Initiative (ACI), eligible foreign visitors, including those visiting Singapore for the first time, can use automated lanes for immigration clearance without the need for prior enrolment.[1] Since May 2022, ICA has expanded the deployment of the ACI to 130 automated lanes at Changi Airport and 40 automated lanes at the land checkpoints. ACI eligibility has been extended to the passport holders of 51 jurisdictions, up from 16 when the ACI was first rolled out in May 2022. 

引用元:ICAホームページ
https://www.ica.gov.sg/news-and-publications/newsroom/media-release/more-foreign-visitors-able-to-clear-immigration-through-automated-lanes
対象国のパスポート保有者は自動化ゲートを使うように促している(チャンギ空港、2023年6月上旬)

この自動化ゲートは、イミグレーションの”Automated Clearance for Eligible Visitors”という案内(上の写真と似たような案内版)のレーンを使う。Frequent Traveller Programmeのレーンではない。

この自動化ゲートは、Frequent Traveller Programmeのレーンよりは若干混んでいるが、有人カウンターに比べたらスピーディーに入国できる。厳密な利用条件はICAのホームページを参照されたい。


ICA : Automated Clearance Initiative
> https://www.ica.gov.sg/enter-depart/for-visitors/ACI

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以前はチャンギ空港ターミナル3でも申請ができたようです。日本人観光客は、マレーシアとの境となるWoodlands Checkpointを通過することはあっても、そこを目的地としていくことはほぼないでしょう。市街地からも離れているので、わざわざ申請しに行くほど入国時に自動化ゲートを使いたい人はいないかもしれませんね。

申請は通りましたが、実際に自動化ゲートを使用しての入国は試していないので、情報の更新があったらこの記事に追記したいと思います(【2023年6月5日追記】無事、入国できた)。

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旅好きが旅にまつわるデジタルライフをゆるめにお届けする場所です。執筆者はひと月に最低1度は海外に出掛け、現地の路地裏をウロチョロしています。

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