宮古島で「宮古カレン」という電動レンタルバイクサービスが提供されている。今回はこの宮古カレンに乗ってみた。
宮古カレン公式ホームページ
> https://www.miyakokaren.com/
【2022年4月24日追記】運営会社である株式会社カレンスタイルによると2022年2月28日を以て宮古カレンはサービスを終了したとのことである。
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車両はホンダPCX ELECTRIC
車両は、ホンダのPCX ELECTRICという電動バイクである。PCX ELECTRICは事業者へのリース用であり、一般販売はされていない車種である。燃費はフル充電で41kmが公称であるが、風が強く、起伏がある地形の宮古島ではこの値はあまり期待できない。バッテリー着脱式であり、満タンのバッテリーと交換するか、車両からコンセントに差し込んで充電するかであるが、レンタル中にコンセントから充電することはないだろう。
シート下にはバッテリーがあるのでほとんど荷物は入れられないが、ヘルメットを一つ入れてもまだ余るほどの大きさのトップケースが付いているので、収納力は問題ないだろう。
バッテリー残量はパーセント表示される。電気ならではといったところである。0%になったら”ガス欠”である。ガソリン車のようにエンプティになっても数キロ走れるといったことはない。
土地柄(気候)なのか、メンテナンスの問題なのか分からないが、筆者が借りた車両はかなりサビがあった。
必要な運転免許は?
ホンダPCX ELECTRICは定格出力が0.98kWなので車両の区分としては第二種原動機付自転車(原付二種)となり、かつ、AT車である。運転できる免許は以下のいずれかである。
- 普通自動二輪 (小型限定可、AT限定可)
- 大型自動二輪 (AT限定可)
原付免許、普通自動車免許では運転できないということである。
料金は高め
1日(9:00~17:00)で13,200円(税込み)である。2日間などの、1日以外のレンタル期間は別途見積もりになるようだ。
他店との比較を以下の表で示しておくが、1日(8時間)でこの料金だと、各種オプション品、ガソリン代(というより電気代)と宿泊先までの配車料が含まれているとはいえ、割高である。
レンタルバイク店 | 基本料金 |
---|---|
宮古島 レンタルバイク店A | 3,500円/24h |
宮古島 レンタルバイク店B | 3,800円/24h |
宮古カレン | 13,200円/8h |
全国ネットのレンタルバイク (宮古島ではサービス提供なし) | 4,500円/8h 5,500円/24h |
大手ディーラーA運営の レンタルバイクサービス (宮古島ではサービス提供なし) | 5,000円/8h 6,000円/24h |
料金の支払いはクレジットカードで
料金の支払いはオンラインによるクレジットカード決済(VISAまたはMastercard)となる。また、PayPalも対応しているようである。
保険は万全だが車両補償はなし
任意保険は、
対人補償:1名につき無制限
対物補償:1事故につき無制限
人身傷害補償:1名につき3,000万円まで
となっている。
車両補償はないため、車両を損傷させてしまった場合の修理費は全額利用者負担となる。その際にその車両で営業できなくなってしまった場合の補償の支払いはない。
予約はネットから
宮古カレンの公式ホームページの予約ページから行う。1日以外の期間のレンタルなどで見積りが必要な場合は問い合わせフォームからでも良いのだろう。
引き渡し・返却はホテルで
車両の引き渡し、返却は宿泊先で行うのが基本のようである。引き渡し、返却予定時刻のそれぞれ少し前になるとスタッフが宿泊先にやってくる。車両の配車料は料金に含まれている。宿泊先での引き渡し、返却が出来ない場合は「OKモータース」という店舗で行うようだが、どういう宿泊先だと出来ないのかは未確認である。
サービス開始当初は、3つのホテルで直接貸し出しを行っていたようだが、本記事投稿日時点はやっていない。そのうちの一つのホテルの従業員によると、利用客が少なくて車両の取り扱いをやめたとのことであった。
ヘルメット・プロテクター・雨具
ヘルメット、グローブ、ジャケット、レインコート、タンデムベルトが無料で借りられる。レンタルバイクの無料オプションとしてはかなり充実している。
ジャケットは、筆者が利用したときは肘・肩・背中にプロテクターの付いたメッシュジャケット(ホンダの0SYEJ-Y3N)で、サイズはM、L、LLの用意があるようだ。
バッテリー交換スポットは18ヶ所
バッテリー交換スポットは宮古島内に18ヶ所ある(本記事投稿日時点)。バッテリー交換スポットは、無人のバッテリー交換機と有人店舗の2種類ある。
バッテリー交換方法
交換機でバッテリー交換する場合
交換機は24時間稼働している。利用者自身で交換作業を行う。車両の引き渡し時にカード型の鍵を渡されるので、それを使って操作する。具体的な手順は公式ホームページに掲載されているが、ランプの色をよく確認して操作するのがポイントである。これを確認していないとハマる。
有人店舗でバッテリー交換する場合
宿泊施設、飲食店、スーパーがバッテリー交換スポットになっている。店舗内に交換用バッテリーがあるため、店舗の営業時間内でないとバッテリー交換ができない。店舗内の入り口付近にバッテリーが置かれている店舗もあるが、どこにあるのか分からない場合は従業員に声をかけてバッテリーを持って来てもらう必要がある。倉庫などの従業員以外は入れないスペースに置いているケースも多々あった。
定休日ではないのに休業している店舗もあった。ホームページが無い店舗が多く、営業しているかどうかは行ってみるしかないのがデメリットである。
走行した感想
- 風が強い場合はフルスロットルにしても60km/hの速度(一般道の法定速度)は出ない。
- 10%程度の上り坂では30km/h程度以上の速度は出ない。
- バッテリーの減りが速いので、常にバッテリー残量を気にしながらの走行となる。バッテリー交換スポットを巡るようにツーリング、観光をする。
- 利用客がかなり少ないようで、あるバッテリー交換スポットの店舗の従業員によると、サービス開始から2年経つがその店舗ではこれまで3名程度しかバッテリー交換に訪れていないとのこと。
- 宮古島観光のついでに電動バイクを試してみたい人には良いかもしれない。
【2021年10月31日追記】50ccのバイクであれば普通自動車免許で乗れるが、125ccクラスとなると自動二輪免許を取得した人でないと乗れない。普通自動車免許は若いときに大人への登竜門的に取得するのが大抵であろうが、自動二輪免許となるとそれはバイカーである。つまり、宮古カレンは宮古島に来たバイカーが対象となる。この時点で母集団がかなり狭くなると思われ、さらに料金が割高であり、突然雨が降ることもよくある宮古島でレンタカーよりもバイクを選ぶとなると、コロナ禍でなくても利用客が少ないのは当然のように思える。
運営会社
株式会社カレンスタイルである。宮古カレンの他に、瀬戸内カレンという電動レンタルバイク、電動アシスト自転車のレンタルサービスを瀬戸内海の豊島で行っている。
株式会社カレンスタイル
> https://www.karenstyle.co.jp/
【2021年10月31日追記】宮古カレンのサービスはコロナの影響で休業・再開を繰り返しているようである。ホームページの更新が遅いようなので、休業終了予定期間を過ぎても更新されていない場合は、「お問い合わせ」ページから問い合わせてみるとよいだろう。
【2022年4月24日追記】株式会社カレンスタイルによると2022年2月28日を以て宮古カレンはサービスを終了したとのことである。
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利用客が相当少ないようで、事業としてうまくいっているのであろうか…