検証日:2020年12月中旬
検証結果:マイレージ番号のほか、付帯する電子マネー・交通系ICの情報が確認できた。
ICチップ付きJALカード・ANAカードは、クレジットカードとして利用できることは勿論のこと、空港の保安検査場や搭乗口でタッチすると紙の搭乗券の代わりとしても利用できる。
今回は、そんな航空系クレジットカードのICチップ内にどんなデータが保存されているのかを確認してみた。
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ICチップのデータを読み取る方法
スマホアプリでICチップ内のデータを読み取れるものがいくつか世の中に出回っている。今回は”NFC Taginfo by NXP“というAndroidアプリを使って、ICカードをスマホにかざすことで読み取ってみた。
実際に読み取ってみたカード
今回は筆者が保有しているクレジットカードのうち、3枚で試してみた。
ANAダイナース スーパーフライヤーズカード
まずはICの基本情報を見ると、
ソニー製でFelicaのRC-S962という型番のICチップで、楽天Edyの番号と残額が確認できた。このカードには楽天Edy機能が付帯しているのでEdyに関する情報も保存されているようである。Edyの仕組みからすれば当然であろう。
さらにデータの中身を確認してみると、
このカードのEdy番号・残高・利用履歴、このカードに紐づいているANAマイレージクラブお客様番号を確認することができた。
後述するが、”Protected”とされたデータは認証で保護されており、参照できない。
ANA VISA Suicaカード
同様に確認してみたところ、このカードに紐づいているANAマイレージクラブお客様番号のほか、Suicaの利用履歴と思われるデータが確認できた。
JAL・JCBカード プラチナ
同様に確認してみた。
JALマイレージバンクお得意番号のほか、筆者の名前も確認できた。また、”JAL Mileage points”、”JAL Mileage log”といった名目のデータもあったが、どのような情報でどういった目的で使用されるのかは推定できなかった。
データの読み方は公開されていない
楽天EdyやSuicaの利用履歴、航空会社のデータなどの読み方は正式には公開されていない。しかし、Suicaのような交通系ICに関しては有志によってデータが解析されており、どのような内容であるか、例えば乗車・降車駅などが推定できる。
認証でガードされたデータがある
Felicaの一部のデータはアクセス制限が掛けられており、認証しないとデータを読んだり書き込んだりすることができないようになっている。ソニーの公式ホームページで公開されている技術文書によると、この認証の方法はソニーと別途契約して開示されるもののようである。ただ、認証と言うくらいであるからパスワードや鍵のようなものが必要であろうから、認証の方法が分かってもシステム提供者以外、データは読めないと思われる。
今回の検証では、確認できたのは誰でも読めるデータ部分だけである。
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参考:ソニー株式会社 Felicaカード ユーザーマニュアル抜粋版 Version 2.1