検証日:2020年7月下旬
検証結果:仕様は機種によって違い、B722では5V・0.5A、A321neo/A321ceo/A320では5V・2.0Aである。実測値は、接続するUSBケーブルと装置に依存する。
最近、機内のシートにUSB電源をサポートしている航空機が出始めている。今回は、ANAの国内線でUSB電源の電圧・電流を測定してみた。
各見出しへのリンク
ANA国内線でUSB電源がある機種は?
本記事投稿時点で、ANA国内線で座席にUSB電源がある機種は以下である。
- 2019年11月中旬から順次導入されたボーイング777-200 (B722)
- エアバスA321neo、A321ceo、A320の一部の機材
いずれの機種もUSBポートはType-Aである。
【2022年4月22日追記】2022年4月22日時点では上記から対応機種が増えており、ANAに確認したところ、以下の機種でUSB電源があるとのことである。
- 2019年11月中旬から順次導入されたボーイング777-200 (B722)
- エアバスA321neo、A321ceo、A320の一部の機材
- ボーイング787-9 375席仕様(78G)
- ボーイング787-8 国際線仕様(78M)
- ボーイング767-300(76P)の一部
- ボーイング737-800(738)の一部
ANA国内線のUSBポートの電圧・電流の値
仕様
ANAに仕様を確認してみた。プレミアムクラスと普通席とで違いはないとのことであった。
B722
電圧は5V、電流は0.5A
A321neo/A321ceo/A320
電圧は5V、電流は2.0A
実測値
ルートアール社のRT-USBVAC60QCというQuickCharge3.0に対応した電圧電流チェッカーを使って電圧・電流を測ってみた。
なお、実測したのはエアバスA321neoである。
まずは、上記のUSBチェッカーをシートモニター下部にあるUSB電源ポートに差し込み、USBチェッカーにUSB2.0のUSBケーブル(長さ1.5m)を挿し、USBケーブルとスマホを接続してみた。スマホはGalaxy S8+でQuickCharge3.0にも対応している。
そのときの電圧・電流は以下であった。
電圧は5V付近で、電流は0.5A付近という結果となった。
次に、最大3.0AのUSBケーブル(長さ1.2m)で接続してみた結果は以下であった。
電圧は5V付近であるのは同じであるが、電流が1.0A付近となった。
スマホで電圧・電流を確認できるアプリもあるのでそれでも測定してみた。以下はアンペアメーターというAndroidアプリで測定した結果である。ケーブルやスマホ内での消費の分なのか、USBチェッカーでの測定値よりも低くなる傾向にあった。
一般的にUSBでの充電は、USBケーブルの長さや対応している規格(USBバージョン、QuickCharge、PowerDelivery)、スマホなどの充電側の充電状態(80%以上になると遅くなるなど)にも依存するので、今回の測定結果は大まかな目安でしかないだろう。