「C+podヨコハマ」試乗レビュー

投稿日:2021年11月19日
更新日:

C+podヨコハマの車両

2021年7月から横浜で始まったトヨタの超小型EV「C+pod」のレンタル事業。今回はそのC+Podを2時間レンタルした試乗レビュー記事である。

公式ホームページ
> https://toyota-kami7.jp/cpod/

レンタルできるのはトヨタレンタカーの横浜地区の7店舗

C+pod(シーポッド)のレンタルはトヨタレンタカーの横浜地区にある7店舗のみで行っている。予約は借りたい店舗に直接電話する。各店舗の電話番号は公式ホームページで確認するか下のマップの緑色の数字をクリックすれば表示される。別店舗への返却(乗り捨て)も可能。

1時間800円

レンタル料金は1時間につき800円であり、6時間以上は4,800円固定となる。

レンタル時間レンタル料金
1時間800円
2時間1,600円
3時間2,400円
4時間3,200円
5時間4,000円
6~12時間4,800円
C+podヨコハマのレンタル料金

利用時間は店舗の営業時間内であり、日を跨ぐレンタルは原則おこなっていないとのこと。

※ご利用可能時間は店舗営業時間内8:00~20:00(横浜ランドマークタワー店は19:00迄)になります。原則、日を跨ぐお貸渡は受け付けておりません。

引用:https://toyota-kami7.jp/cpod/

【2022年7月5日追記】料金は1時間1,100円からとなり、1時間単位での等幅での料金加算でもなくなったようだ。さらに、「免責補償料(任意)」「安心Wプラン(任意)」も別料金として加わったため、トータルの利用料金としては値上がりしたようだ。

出典:C+podヨコハマ ホームページ 2022年7月時点

330円でNOCも免除

追加で330円支払えば、事故などで通常発生するノーオペレーションチャージ(NOC)も無料にできる。

二人乗りである

車両は二人乗りであり、横浜観光をする夫婦やカップル、友達二人組、おひとり様には良いだろう。

C+podヨコハマの座席の様子
C+podの車内

高速道路は走行できない

C+pod(型式ZAZ-RMV12)は道路運送車両法での分類は軽自動車であるが、高速自動車国道と自動車専用道路の走行はできない。通常、軽自動車はどちらの道路も法律上は走行できるので、ここは注意が必要である。というのも、カーナビは、高速自動車国道あるいは有料道路を通らないというルート検索はできるが、自動車専用道路を通らないという設定がないためだ。

※高速自動車道、自動車専用道路、および法定速度60km/hを超える道路の通行はできません。

引用:https://toyota-kami7.jp/cpod/

横浜に土地勘のない方は予め走行する道路が自動車専用道路でないこと、そして実際の標識・表示をよく見ながら走行する必要がある。

高速自動車国道または自動車専用道路であることを表す標識

特別な軽自動車

前述の通り、軽自動車であるにも関わらず高速道路が走れない。これはどういうことかというと、まず、超小型モビリティには認定制度があり、その認定を受けた車種については保安基準が一部緩和され、補助金も出る。

上の表は国土交通省による超小型モビリティの区分であるが、トヨタのC+podは超小型モビリティ(型式指定車)に分類される。 超小型モビリティ(型式指定車)の認定には高速道路を走行しないという条件がある。

〇超小型モビリティ(型式指定車)

  超小型モビリティのうち、原動機付自転車の大きさ以下の軽自動車であって、最高時速60km以下の自動車のうち、高速自動車国道等において運行しないものが該当。
  この区分の超小型モビリティには、最高時速60km以下の車両であることを車両後面の見やすい位置に表示する必要がある。

 ※ 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第4条第1項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和27年法律第180号)第48条の4に規定する自動車専用道路をいう。)  

引用: https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000043.html

これにより保安基準が緩和され、補助金の対象にすることが出来ている(CEV認定の電気自動車は一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認することができる)。

60km/h制限の表示
車両後面にある最高時速60km以下であることの表示

ニュートラルとパーキングブレーキで駐停車する

ギアにパーキング(P)はない。駐停車時は、パーキングブレーキを掛けてギアはニュートラル(N)にする。ギアはプッシュ式のボタンでリバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)を押せば切り替えられる。パーキングブレーキはフットペダルである。

C+podのギア
C+podのギア(赤枠部)
C+podのペダル類
C+podのペダル類

座席は上下には調整できない

座席は上下の調整ができないので、高身長の方は少し天井が近くて窮屈に感じるかもしれない。また、ルームミラーが近くなるので、後述する斜め上方向を目視するのに障害になりやすくなる。

ルームミラーが邪魔で信号機が見えないことも

ルームミラーが普通車よりも運転者の顔に近いのか(測定はしていない)、斜め上を見上げるとルームミラーが邪魔になる。見たい方向に信号機があって見えないということが何度かあった。慣れれば、車両の停止する位置を調整することで解決するかもしれない。

C+podのルームミラー
C+podのルームミラー

窓の開閉は手動

窓は、窓の上部にあるつまみを摘まんで開閉する。ある程度力が必要なのと体勢的に運転者側の窓を走行中に開けるのは難しい。

C+podの窓のつまみ
C+podの窓のつまみ

カーナビのモニターがハンドルで見えない

これはC+podヨコハマ固有かもしれないが、カーナビは運転席の正面に取り付けられている。違反にならない位置を模索したのであろうこの位置は、ハンドルが邪魔になってモニター上部が見えない(下の写真)。結局、筆者は試乗途中から自前のスマホホルダーを取り付けてカーナビアプリを使うことにした。因みに、バックモニター機能もある車両だが、このモニターに映し出されるので同様にあまり見えない。

C+podヨコハマのカーナビ
ハンドルに隠れてモニターの上部に表示される情報が見えない

尚、シガーソケットがあるが、このカーナビの給電に使用されている。

死角の目視確認がしにくい

後部座席がないのでセンターピラーはない。その位置はもう車両の後部のボディになっているのだが、車線変更時や左折時などでミラーの死角を目視確認するときにこのボディが邪魔になる。センターピラーは通常10cm程度の幅であるが、C+podの後方ボディ部分はもっと太いためである(下の写真)。

C+podの車両
青枠部が目視確認の障害になる

Uターンはしやすい

タイヤの間隔は普通車よりも小さいため、Uターン(転回)時の半円は小さく済む。ここは超小型車両の強みを感じた。

そこそこ加速できる

最高速度60km/hであり、アクセルペダルをベタ踏みすればそこそこ加速していく。ただし、横浜の観光スポットは大抵市街地にあるので、あまりスピードを出す機会はない。

エアコンの稼働で走行可能距離は大きく変化する

満充電からの走行距離は150kmである。しかし、エアコンを付けた途端に大幅に下がり、エアコンを最大出力にすると50kmまでになってしまう。走行可能距離は以下のように表示してくれる。

C+podの電気残量-エアコンOFF
エアコンOFF
C+podの電気残量-エアコンMAX
エアコン最大出力

USBでスマホの充電もできるが、走行距離にはさほど影響しない。

初心者マークの取り付けには注意

ボディは金属製ではない。従って、初心者マークや高齢者マークはマグネット式のものでは取り付けられない。吸盤式か貼ってはがせるタイプのものとなる。フロント側に吸盤式を使用する場合は注意が必要である。フロントガラスへは取り付け位置によっては違反となるためである。

総評

今回は2時間レンタルして赤レンガ倉庫と横浜港シンボルタワーを巡った。走行距離は25km程度、実際の走行時間は1時間程度だった。2時間でまわれる場所はせいぜい2、3ヶ所程度であり、また横浜は電車、バスは勿論のこと、シェアサイクルも沢山あるので、車を借りて巡るには予約・借受・返却手続きを考えると2時間だと中途半端であると感じた。半日以上は借りた方が利便性を感じるだろう。そうなってくるとレンタル料金が普通車とあまり変わらなくなってくるので、小型で小回りが利くところがメリットになるか。電気残量についてはエアコンを適度につけても半日は充分もつだろうし、春・秋の季節であれば窓を開けて風を切って走行するのも気持ちが良い。充電用のケーブルも車載されているが、都合よく充電ステーションに行けないと観光が充電に振り回されるし、途中で充電が必要なほどまでは走行しないだろう。

車両自体に興味があり、試乗を目的にレンタルする場合は2時間程度で充分である。

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