公道初の充電ステーション実証実験を体験

投稿日:2021年12月2日
更新日:

2021年6月、横浜市青葉区に公道で初となるEV充電ステーションが設置された。これは横浜市と株式会社e-Mobility Powerとの共同事業の実証実験であり、期間限定である。今回は、その充電器を利用してみた。

横浜市のEV充電ステーションの実証実験のパネル

場所

場所は横浜市青葉区しらとり台69付近(神奈川県道140号川崎町田線沿い)である。本記事投稿日時点ではGoogleマップ上でも施設として表示される。

期間

2021年6月8日から開始されたこの実証実験の終了予定は、現地に設置されたパネルによると2022年3月31日とのことである。

【2022年4月2日追記】横浜市によると、期間は2023年3月下旬まで延長された。

国土交通省の社会実験は令和3年度末に終了しますが、EVユーザーからも継続を望む声が多くあり、運⽤開始から現在まで大きな問題がなく順調に稼働していることから、本実証実験の協議会での議論や関係機関と協議をした結果、令和4年度は横浜市独自の実証実験として継続をし、充電マスや充電ケーブルの調整など、充電ステーションの最適化に向けた取組を実施します。

引用元:令和3年3月29日横浜市温暖化対策本部プロジェクト推進課、株式会社e-Mobility Power記者発表資料
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/ondan/2021/0329ev.files/0004_20220328.pdf

【2022年8月4日追記】2022年8月上旬にこの場所を再度訪問してみたが、パネルの期間が令和4年から令和5年に変更されていたぐらいで他に変更された様子はなかった。

横浜市のEV充電ステーションの実証実験のパネル(2022年8月)

利用手順

枠内に車両を駐車する

2台分の枠線があるので、どちらかに停める。両方空いていた場合はどちらに停めるかといったルールは特に表示されていなかったが、2台目のために前側の枠に停めておくのが良いと思われる。

駐車場所は坂道なのでパーキングブレーキは必ず掛けよう。

横浜市青葉区しらとり台の実証実験場所
2台分の枠

駐車向きは車線の進行方向の逆向きにしてはいけない。反対車線から来た場合はUターン(転回)して停めることになるが、道路の構造上、Uターンはしやすい場所である。

逆向き駐車禁止の表示
逆向き駐車は禁止
Uターンできる場所
赤枠のあたりでUターンできる

充電プラグを車両に差し込む

車両の電源を切るなどした後に車両から降り、充電器にセットされている充電プラグを取り上げ、車両の充電口に差し込む。

前側の枠に停めた場合、充電器から車両の充電口までは車1台分離れることになるので、ケーブルを力ずよく引っ張って行き、車両前方にある充電口まで持って行く。通常の充電ステーションは、車両を頭から充電器に向かって停めるので充電器と充電口との距離は近く、ここは路上ならではの事情ということになるだろう。

充電ケーブルを車両に差し込んだところ
充電プラグを車両に差し込んだところ

充電器の画面の「スタート」を押す

充電プラグが差し込むと以下の画面になるので、「スタート」をタップする。

充電器の画面-車両検知
出典:e-Mobility Power

認証方法を選択する

認証方式を選択する画面が出てくるので、「携帯電話」か「RFiDカード」を選択する。今回、筆者は自前の充電用の会員カードを使用したかったのでRFiDカードを選択した。

充電器の画面-認証方式の選択
出典:e-Mobility Power

携帯電話または会員カードで認証する

携帯電話または会員カードで認証する。今回筆者は充電用会員カードで認証したので、所定の場所にカードをかざして認証した。

RFiDをかざす場所
RFiDカードをかざす場所

認証が成功すると以下の画面になる。

充電器の認証完了画面
出典:e-Mobility Power

充電開始

認証後は充電完了まで特に何も操作は無い。待っているだけである。以下の画面を経て充電が開始される。充電中に何%まで充電されたかはこの画面に表示される。

充電準備中画面
出典:e-Mobility Power

30分経ったら充電プラグを抜いて充電器に戻す

30分経ったら、充電は自動停止する。これは他の充電器と同じである。画面の「ok」をタップし、充電プラグを充電器に戻す。

今回は、30分で19%から76%までの充電となった。使用した車両は日産リーフ(型式ZAA-ZE1)である。因みに、充電速度に影響すると言われる外気温は8℃程度であった。

充電完了画面
出典:e-Mobility Power

発進する

充電ケーブルを充電器に戻したら、車両の充電口を閉め、すみやかに立ち退く。枠内は充電のためのEV・PHVの駐車に限られている。

駐車可の標識
設置されている標識

24時間利用できる

24時間利用できる。一般的に施設内にあるEV充電器だとその施設の営業時間内でしか利用できないといった制約が出る場合があるのだが、公道という特性であろうか、24時間利用することができる。

同時に2台が利用できる

充電器はCHAdeMO規格のものが1台設置してあるが、同時に2台が充電できる。ただし、2台が同時充電すると電気の出力が下がるようだ。

【設置充電器】 機器概要 CHAdeMO規格 急速充電器 1 基※5 2台同時充電可能
1台利用時最大出力 90kW※6
2台利用時最大出力 56kW
※5 9月9日(木)より再生可能エネルギーによる充電を開始しました。
※6 これまで1台利用時の最大出力は 56kW でしたが、令和3年10月1日(金)から90kWになりました。 出力が下がるようである。

引用元:令和3年10月5日横浜市温暖化対策本部プロジェクト推進課、株式会社e-Mobility Power記者発表資料
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/ondan/2021/1005ev.files/20211004.pdf

坂道にある

車両を駐車する場所は、勾配は急ではないものの坂になっている。MT車の場合は坂道発進がAT車に比べて気を遣うという事情があるが、電気自動車はほとんどがAT車なのでほとんどの車両はこの点では問題ないだろう。ただし、必ず駐車中のギアはパーキング(P)に入れ、パーキングブレーキも掛けておこう。以下の写真を見ても分かる通り、2つの枠の前後は1mもない。ケーブルを大きく引っ張りたくないだろうから、前の枠の車両はなるべく後ろ側に、後ろの枠の車両はなるべく前に駐車したいだろう。

坂道にある充電ステーション
坂道にある充電ステーション

周りに何もない

コンビニでもあれば30分の時間つぶしが出来るのだが、場所は住宅街でコンビニ、公園、公共トイレは視界に入る限りではない。寒い日、暑い日は車内で待つことになるだろう。

混雑状況は?

現地に行ってみたら2枠とも使用中だったら無駄足になってしまう。枠の前後に駐車することもできない(駐車可の指示標識の補助標識として「ここから」と「ここまで」がきっちりと枠の前後キリギリに設置されている)。気になる混雑状況だが、2021年6月8日から同年9月7日までのデータで平日平均7.2回、休日平均9.1回の利用のようである(令和3年10月5日横浜市温暖化対策本部プロジェクト推進課、株式会社e-Mobility Power記者発表資料より)。

今回、筆者は平日の夜の時間帯に利用したが、筆者が利用中に他の利用者が現れることはなく、筆者の車両1台だけだった。

因みに、Googleマップには充電ステーションの空き状況を表示してくれる機能があるが、日本でそのサービスはやっていない。

横浜市公式のYouTube動画

横浜市公式YouTubeチャンネルでもこの充電器が紹介されている。

出典:横浜市公式YouTubeチャンネル「CityOfYokohama」

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