検証日:2021年3月下旬
検証結果:USB電源は5V・0.5Aのようであるが実測値は接続する装置に依存する。
コロナ禍によりANAでは国際線機材が国内線で運用されている。今回は、ANAの国際線機材78Mの座席にあるUSB電源の電流と電圧を測定してみた。以前の国内線での記事と合わせてご覧いただきたい。
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ANA国際線機材78Mとは
78Mとは、ANAが元々国際線で運用していたボーイング787-8であり、コロナ禍により国内線の運用に転じている機材である。ANAの時刻表・予約システム上、「78M」と表示される。
国際線仕様であるため、ビジネスクラス、エコノミークラスの座席であり(ファーストクラスは無い)、ビジネスクラスの座席をプレミアムクラスとして、エコノミークラスの座席を普通席として運用している。どちらもType-AのUSB電源が備わっている。
ANA国際線機材78MのUSBポートの電圧・電流の実測値
ルートアール社のRT-USBVAC60QCというQuickCharge3.0に対応した電圧電流チェッカーを使って電圧・電流を測ってみた。
まずは、上記のUSBチェッカーを、シートモニター下部にあるUSB電源ポートに差し込み(普通席の場合であり、プレミアムクラスの場合は座席側面)、USBチェッカーに最大3.0Aに対応したUSBケーブル(長さ1.2m)を挿し、USBケーブルとスマホを接続してみた。スマホはGalaxy S20+でQuickCharge3.0にも対応している。
そのときの電圧・電流は以下であった。
電圧は5V付近で、電流は0.5A付近という結果となった。今回の検証は、普通席(エコノミークラスシート)、プレミアムクラス(ビジネスクラスシート)の両方で測定してみたが、どちらも同じ結果であった。
スマホで電圧・電流を確認できるアプリもあるのでそれでも測定してみた。以下はアンペアメーターというAndroidアプリで測定した結果である。ケーブルやスマホ内での消費の分なのか、USBチェッカーでの測定値よりも低くなる傾向にあった。
一般的にUSBでの充電は、USBケーブルの長さや対応している規格(USBバージョン、QuickCharge、PowerDelivery)、スマホなどの充電側の充電状態(80%以上になると遅くなるなど)にも依存するので、今回の測定結果は大まかな目安でしかないだろうが、実測値からすると仕様は5V、0.5Aと思われる(ので今回は仕様をANA側には確認していない)。
今回の測定は、那覇(OKA)発羽田(HND)行のフライトであったが、約2時間のフライト時間で約1,000mAhが充電されたので、4,000mAhのスマホだと約1/4程度が充電できると思っておけばよいだろう。