日本入国時の税関を通るときに提出する黄色い紙(ここ数年は白い紙)。あれは、スマホアプリから提出することができることをご存じであろうか。人と人との接触がないため、コロナ対策で導入したように想像してしまうが、実は、2019年4月に成田空港第3ターミナルから運用が開始されており、当初の目的は税関手続きの時間短縮であった(今では、それに加えコロナ対策も目的となっている)。
今回は、その税関申告の電子申告について解説したいと思う。
財務省税関
> https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/egate.htm
各見出しへのリンク
利用手順
- QRコード作成
- 電子申告端末の場所へ向かう
- パスポート、QRコード、顔を読み取らせる
- ゲートを通過する
以下で各手順について解説する。
手順1 アプリまたはウェブから税関申告のQRコードを作成する
税関申告用のスマホアプリ、税関申告WEB、デジタル庁のVisit Japan Webから税関申告のQRコードを作成する。スマホアプリはAndroid用、iPhone用ともに各アプリストアからダウンロードできる。税関申告WEB、Visit Japan Webは前述の税関のホームページからたどれるが、ここにもURLを掲載しておく。
QRコードの作成は日本入国審査の後にある税関の電子申告端末にたどり着く前までにやっておけば良い。アプリから作成する場合はオフラインでできる(インターネット接続不要)。ウェブ版は当然インターネットの接続が必要なので、日本入国便の出発空港のWi-Fiやその前のホテル滞在中等にやっておけば良い。厳密には申告内容が変わらないならいつやっても良い。搭乗便が日本に到着してからでも大丈夫であるが、降機してからは歩いているだろうから、ながらスマホにならないようにしたい。
税関申告WEB
> https://www.cd-ws.customs.go.jp/#/
デジタル庁 Visit Japan Web
> https://www.digital.go.jp/policies/visit_japan_web/
【2023年1月22日追記】税関申告アプリは2022年12月末を以てダウンロード提供は停止となり、税関申告WEBも2023年3月末を以て終了予定である。2023年4月以降の電子申告はVisit Japan Webのみとなる。MySOSも2023年1月13日を以て終了し、2022年11月1日からVisit Japan Webにファストトラック(検疫手続き)機能が追加されたので、検疫手続き、税関申告ともに、2023年4月を待たずにVisit Japan Webから行うのが効率的だ。
※令和5年4月1日より、税関電子申告は基本的にVisit Japan Webより行っていただくことになります。なお、税関申告アプリは令和4年12月末日をもって新規ダウンロードを停止させていただきます。また、税関申告WEBについても、令和5年3月末日をもってサービスの提供を終了させていただきます。
引用元:財務省税関ホームページ
https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/egate.htm
*11月1日よりVisit Japan Webにファストトラック機能が追加されました。
引用元:厚生労働省ホームページ
今後はVisit Japan Webからファストトラックの登録をお願いいたします。
https://vjw-lp.digital.go.jp/
https://www.hco.mhlw.go.jp/
【2023年5月24日追記】税関申告アプリはダウンロード済みであれば利用はまだできるようである。先日、筆者は帰国便の中でVisit Japan Webから税関申告をするのを忘れたことに気付いたのだが、ネット環境のない機内で税関申告アプリを使って税関申告のQRコードを生成し、日本入国時の税関検査場ゲートで使用することができた。Visit Japan Webではネット環境が必要なので、ネット環境のない機内で準備することができるアプリ版のメリットが活かされた。
【2024年1月31日追記】2024年1月下旬時点で、税関申告アプリで生成したQRコードでは電子申告端末への登録時にエラーになることを確認した。電子申請は完全にVisit Japan Webへ移行されたようである。
※税関申告アプリは、令和4年12月末日をもって新規ダウンロードを終了しておりますところ、令和6年1月25日よりVisit Japan Webにおいて入国審査と税関申告の二次元コードが統一されることに伴い、同日をもって、税関申告アプリで作成した二次元コードは使用できなくなります。つきましては、税関において電子申告を行う際は、Visit Japan Webをご利用ください。
引用元:財務省税関ホームページ
https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/egate.htm
手順2 税関検査場の電子申告端末へ向かう
日本入国審査を終えた後に税関検査場に設置されている電子申告端末がある場所へ向かう。
税関ホームページの案内によると、預け荷物が出てくる待ち時間で次の手順3を行い、その後荷物を受け取り、その後は手順4のゲートを通過しても良いようだ。
旅客は、機内預託荷物をターンテーブルでピックアップするまでの時間等を活用して、税関検査場に設置された電子申告端末においてQRコードでの申告情報の提出及びIC旅券情報の読取りを行います。
引用元:財務省税関ホームページ「税関検査場電子申告ゲートの主要空港の導入に関するQ&A」
https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/egate/faq.pdf
手順3 電子申告端末にパスポート、QRコード、顔を読み取らせる
電子申告端末にパスポート(IC)、作成したQRコード、顔を読み取らせる。筆者が利用したときは電子申告端末の近くに税関職員がおり、案内してもらえた。
手順4 税関検査場ゲートを通過する
電子申告端末の先にあるゲートを歩いて通過する(だけ)。その後は、到着口(出口)へ向かう。
電子申請が利用できる空港
本記事投稿日時点で電子申告が利用できる空港は以下である。
- 成田国際空港(第3ターミナルを除く)
- 羽田空港(第2ターミナルを除く)
- 関西国際空港
- 中部国際空港
- 福岡空港
- 新千歳空港
- 那覇空港
ICパスポートがあれば利用できる
日本出国時の自動化ゲートとは違い、事前の利用者登録はなく、また、国籍を問わずICパスポートを所持していれば利用できる。
税関検査場電子申告ゲートは、国際民間航空機関(ICAO)の規格に準拠するIC旅券を所持している全ての国籍の方が利用できます。
引用元:財務省税関ホームページ「税関検査場電子申告ゲートの主要空港の導入に関するQ&A」
https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/egate/faq.pdf
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税関職員によるとあまり浸透していないとのことで、筆者が利用したときも有人のレーンには人が並んでいるにも関わらず、複数台ある電子申告端末の利用者は筆者一人でした。混雑することが予想される時間帯に到着する便に搭乗する場合には良いと思います。因みに、紙の申告書も機内でもらうのではなく、自分でダウンロードしてプリントすることもできます。
税関申告書のフォーマット
> https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/shinkokusho.htm
【2024年1月31日追記】筆者の体感だと、2024年1月下旬時点で、税関申告の電子申請はかなり浸透しているようで、多くの人が利用しているようであった。日本行きの航空機の中で客室乗務員が紙の税関申告書の配布に客室をまわる回数も減ったように感じた。